◇ making -彩色編その2-
7.明るい部分を描き起こす+カンバスサイズの変更
8.着物の模様を描く
9.その他ディテール描き起こし+パーツ追加
10.背景を描く
11.水を張ってみる+仕上げ
12.夢の後
絵が全体的に暗かったので明るく描き起こします。オーバーレイレイヤーや、覆い焼きレイヤーなどを使って、光の当たっているであろう部分をかなり大きめのブラシで描いていきます。細かく描く前にこういう大きな仕事も必要です。この時、パーツにとらわれずに、キャラクター全体を一つの固まりとしてみてます。もちろんやりすぎないように注意です。雅さんのストッキングにちょっと模様も入れてみました。

そしてまたしても私の病気が発動!カンバスサイズを変更です。右にのばしました。のばした分の着物を追加で描いてます。やっぱりこっちの方がいいわー。個人的に描いてる絵なんでこんな真似も許されるのです。許される…よね?(許さん)

ハーイ!とっても楽しい着物の模様を描く時間ですよー!(ヒィィィィィィィィ)正味な話これはしんどいです。この作業は丸一日使いました。アホだ。

丑さんの着物にはまず牛の斑点模様を描いて、その斑点の中に模様を描くということをしてみようと思います。雅さんの方は無計画です。

描き方としては、

新規レイヤーに模様を描く→着物の形に合わせて変形[ワープ]を適用→影の部分や奥まった所、模様が見えずらいであろう箇所を消しゴムツールで消す等して馴染ませる→必要に応じて不透明度を下げる→吟味→結合

これの繰り返しです。こういうチマい作業が絵の一部になってくれると信じたいですが、どうなのか。そうでもないですか、そうですか。

着物模様の他に、丑ニーソ装飾、履物の足裏、髪飾り等新しく描きますが、そのディテールが全体感を損なってはいけません。バラバラ見えないように気を配ります。描きすぎたらつぶす、という作業も必要です。

もうキャラクターはいろいろやり尽くした感があるのでこの辺にしておきます。

えー、一応今回は背景のイメージが頭にあったので、こんな描き方をしてますが、ほんとはよろしくないです。背景とキャラクターは同時進行、むしろ、背景を先に終わらせるべきです。その方が絵のイメージつかみ易いと思います。

しかしここまできちゃったものは仕方がないので、とにかく背景に集中です。先にパースのついたグリッド線を引いておいて、それを指針にしつつ描いていきます。状況に応じて、描いたものに変形[遠近法]を適用したりもします。

何年か前にさる展覧会で、川端龍子の草炎という作品を見てからというもの、かの絵の虜なのですが、今回、その影響を多分に受けた背景となっております。オリジナルには到底かないませんが。ああもう一回見てえ・・・あれは鳥肌ものです。

とはいえ、背景がキャラクターよりも目立ったり、それによってキャラ部分が沈んでしまうのはよろしくないので、大分明るさと彩度を落としてあります。

これで終わりでもいいかなと思ったんですが、試験的に水を張ってみます。新規レイヤーの画面全体を、明るめで彩度低めの青系で塗りつぶし、水面より上に出ている部分を消しゴムで消していきます。そしたらそのレイヤーを乗算モードに変更して不透明度を調節、水に沈んだ感じを出していきます。薄ーく張ってる状態なので、あんまり水に浸かってる感はないんですが…まあ…ね!(何が言いたい)

これだけだと寂しいので金箔を散らしてみました。

今の状態だと黒がキツいので、グラデーションツールとスクリーンレイヤー、オーバーレイレイヤーを併用して空気感を出すついでに画面を明るくしていきます。

更に、色をまとめる効果を狙って、バリエーションという機能を使います。詳しくは調べてないので解りませんが、どうやらこれは、適用範囲のシャドウ、中間調、ハイライトのなかから指定した部分の色域全てを、選択した色身に近づける効果があるようです。

って言語化するとよくわかりませんね。説明下手ですいません。要するに、画面全体の色をレッドやブルー、好きな色でまとめられるということです。習うより慣れろだと思うので、使ったこと無くて興味を持たれた方、まず使ってみてください。どんなものか何となく解ってくると思います。画面に空気感を出したいときなどにもよく使ってます。しかしこのツールはやりすぎると絵が死ぬので気をつけます。一回適用する程度です。

そして、アンシャープマスクをかなりきつめにかけるのがマイブームなので、これで線をはっきりさせて仕上げとします。

だいたいやり尽くしたんで、この辺で筆を置いておきます。時間をおいて、また見た時に気づくこともあると思います。その時は有無を言わさず加筆修正です。

そういう意味ではこの絵は完成を見たとは言えないのかもしれません。そしたら私は生まれてこのかた絵が完成した試しがございませんね!煩悩の無限サイクル!天元突破してえ・・・

しかし、それでも描き終わった後の一息感がたまらんです。なんかこう、フワッとなります。フワッと。ああちょっと2、3日ダラダラしたい。腰痛い。

何はともあれ、ひとまずお疲れさまでした!嗚呼、自分の描画工程をこうも小難しく、かつ、もっともらしく言語化するっていうのはどえりゃあ疲れますな!きっと脳トレみたいなことになってると思います。

こんな拙いメイキングでしたが、如何でしたでしょうか?もっと簡単な題材にするべきだったなあとかそういう所で反省してます。こんなんでほんとにお役に立てたか怪しさ爆発ですが、ちょっとでもどなたかの参考になったのならば、それで万々歳です。

まだまだ未熟者なので、もっといい絵描けるようになれたらなあと思います。あぁそうだ!肝心の所用時間ですが、カウントしてませんでした(オイ)だいたい…7日〜10日ぐらい・・・かな?ちょっとかかり過ぎです。もうちょっと早いと思うんですが、4日たったあたりからマンネリ化してやる気なくなっちゃうんで…この時間内に収まるようにしたいですね。相も変わらずスピードアップとクオリティアップが課題かー。描いたキャラクター様に申し訳が立ちません!これ前にも言ったような…

そんな訳で、メイキングはこれにて終わりです。見てくださった方、ありがとうございましたー!

2008年12月31日14:31 ミロおいしいよミロ。匡吉

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