◇ making -彩色編その1-

1.レイヤー分けをする
2.ザックリ色を置いてみる
3.影の調子を入れる
4.更に進める
5.薄い紫を入れる
6.それぞれの部位を描いていく
気分も新たに締まっていきましょう。彩色に入りますよ。私は線画レイヤーを『trace』と名付けています。traceレイヤーの下に新規レイヤーを作り、キャラクター部分を適当な色でベタ塗りします。消しゴムツールでキャラクターからはみ出た部分を消したら、透明部分をロックします。こうすると、いわゆるマスクがかかった状態と同じになります。このレイヤーを丑雅、『ushimiyabi』とします。これで準備が整いました。
『ushimiyabi』レイヤーに、とりあえずの色を手探りで置いていきます。丑さんの方は着物の部分を白にすると決めていたので、襦袢の色をオレンジにしてみました。雅さんのパーソナルカラー、赤と黒の相関で、丑さんに緑を入れてみます。はみ出しまくってますが、現段階では気にしません。追々ディテールを描くに従って自然とはみ出しは解消されます。パーツパーツでのレイヤー分けをしていないのは、分ける時間と手間が面倒な上に、そのパーツの表現にとらわれて全体感がおろそかになりがちだからです。

以前は細かく分けないと描けないと思い込んでいたんですが、ブラシに慣れてきたというのとdrawrの恩恵などによって、実はそうでもないと最近気がつきました。

光源を意識しつつ、ざくざく描いていきます。ushimiyabiレイヤーの上に乗算レイヤーを作って適当な色で影の部分をやはりザックリと塗ってみたり。ある程度塗ったらushimiyabiレイヤーと結合してしまいます。

それともう一つ、どうしても気になっていたことが。

足が短い。

リアリティがあっていいじゃあないかという脳内の正当化に耐えきれなくなりました。それにしたって短いです。足を曲げた時、膝が腕の付け根ぐらいまではくる筈ですが、このままでは肋骨の辺りまでにしか届きません。足を伸ばしたので、着物ものばす羽目に。こういう大がかりな修正は線画の段階で成されてしかるべきなんですが、たまにこういうことがあります。あっはっはっは!!嗤っちゃいますな。まったく。こうした私の、形を調整するという意識と作業は絵の完成まで続いていると思ってください。微調整に関しては以降言及しませんので。

スポイトツールで色の中間色をとったり、新たに色を作ったりしながら、形体に従って描いていきます。顔の周囲を若干進めておくと、絵のイメージがつかみ易いです。
色ムラ作りの一環として、薄紫を入れてみます。新規レイヤーを作って適当に描き、消しゴムツールで程よく馴染むぐらいまで消します。その後ushimiyabiレイヤーと結合です。

非常に微妙ですが、こういう工程を意識的に入れないと色が単調になってしまいます。そういう性格なんです。難儀だあ…

全体が見えてきたらパーツにも目をやります。無計画だとどこから手をつけたものかと悩みますが、まず肌を塗る、それからニーソ、クッション、次は襦袢、着物、という風に自分の中で描く順番を設けると無駄な時間が省けます。構造的に見て奥にあるものから描いていくと効率いいです。

そうして全体が描けたら、もう線画と塗りのレイヤーを分けている意義はありません。traceレイヤーとushimiyabiレイヤーを結合します。お仕事などで、レイヤー分けした状態を求められないのであれば、私は分けている必要の無くなったレイヤーをどんどん結合していきます。私の作業は”新規レイヤーを作って、上から新たに描き込み、吟味しては結合”の繰り返しなので、積極的に結合していかないとレイヤー数が膨大なものになります。この描き方のデメリットは後戻りが出来ないことにありますが、今までそれで後悔したという事例は比較的少ないので、構わず突き進みますよ。それでも後悔しそうだと感じたなら、各工程ごとに別ファイルとして保存しておけば済む話ですし。

なんにせよ、これで絵のもとになる部分が描けたということになります。

以降の工程では、この上から、明るい部分を描き起こしたり、着物の模様や足りないパーツなどを追加していきます。へへっ・・・お楽しみはこれからだぜ・・・!

彩色編その2に続く